旅に行きたいなー
と思ったので、旅人のバイブル『深夜特急』を読んでみました。
バックパッカーや世界一周をしている人のブログやYouTubeをよく見ているのですが、『深夜特急』をオススメされている人が多く、一度読んでおこうと思っていました。
読み進めてみるとオススメしたくなる気持ちがわかり、旅に行きたい気持ちが高まり、こんな人生を経験してみたいと思わされました。
『深夜特急1』は旅の始まりの経緯と道中でのエピソードで構成されています。
以下は目次です。
- 第一章 朝の光(インド)
- 第二章 黄金宮殿(香港)
- 第三章 賽の踊り(マカオ)
異国の地に翻弄されて不安だが、未知の経験に対する好奇心を抑えられない感じが伝わってきます。
旅に思いを馳せましょう
第一章 朝の光 発端
物語の始まりはインドのデリー。
次の目的地を決める必要があるが、決まらずドミトリーで沈没している。
何をするわけでもなく、なにかしなければいけないこともない。
腹が減れば食堂に行き飯を食う。そんな日々が書かれている。
旅の目的はインドのデリーからロンドンまで、乗り合いバスで行くことだった。
つまりインドのデリーは旅のスタート地点になるのだが、デリーにたどり着くまでの道中で半年近くかかっている。
第二章、第三章では日本から香港で渡航し、マカオでギャンブルするエピソードが書かれている。
旅に期限は設けてなく、お金が尽きたら帰国する程度の決まりしかない自由気ままな旅だ。
先を急ぐことなく、異国の地を楽しんでいるのが伝わってきた。
旅のいい面だけでなく、考えさせられる面も紹介されている。
同じドミトリーに滞在していたフランス人のピエールの話が印象的だ。彼は4年半も旅を続けていて色んな場所を巡っていた。朝の日差しで目が冷めて何気なくピエールを見ると虚ろな目で天井を眺めていた。
それにしても、この虚ろさはどうしたことだろう。籠の鳥と違ってどこでも自由に飛び立てるはずなのに、異国の安宿で、薄汚い寝袋にくるまり、朝、呆然と天井を眺めてみじろぎもしない。その姿には、見ている者をぞっとさせる、鬼気迫るものがあった。
深夜特急1 16ページ より引用
バックパッカーのブログを読んでいると「沈没」という言葉はたまに見る。意味もなく安宿に何日も寝泊まりする行為らしい。
旅を始めたばかりは何もかもが新鮮で新しく、刺激的な日々を楽しめるのだろう。
しかし、旅を続けると旅という行為自体が「非日常」から「日常」に変わる。
旅をすることが当たり前になる日が来る。
4年も旅をしていたピエールにとって、旅は当たり前の日常になり、見たいものも食べたいものを一通り経験し、次にやりたいことがなくなっていったのかもしれない。
羨ましいような恐ろしいような、そんな気持ちになった。
それでも旅に出てみたい
第二章 黄金宮殿 香港
第二章は香港でのエピソードが紹介されています。
日本からデリーへ飛行機で行くのは味気なく感じた主人公は、東京→香港→バンコク→デリーという航空券を購入し旅が始まりました。
飛行機を降りると、目に入る文字は全て漢字。周りの人たちが話している言語も意味が分からない状況。
宿の予約もしていない所で困っており、紹介された宿は売春宿だと後から気が付く。
そんな旅の始まりでしたが、主人公は楽しんでいました。
飲食店で注文の仕方がわからず、そもそも言葉が伝わらない状況でなんとか注文して食べた小籠包の美味しさ。
困っていると話しかけてきて助けてくれる現地の人の優しさ。
市場に売っている日本では考えられない食材や商品の数々。
何より毎日が祭りなのではないかと思わされるほどの香港に住んでいる人たちの熱気。
そんな状況を楽しんで受け入れているのが伝わってきました。
旅を楽しんでる好きな描写がある。
<さて、これからどうしよう…>
そう思った瞬間、ふっと体が軽くなったような気がした。
今日一日、予定は一切なかった。せねばならぬ仕事もなければ、人に会う約束もない。すべてが自由だった。そのことは妙に手ごたえのない頼りなさを感じさせなくもなかったが、それ以上に、自分が縛られている何かから解き放たれていくという快感の方が強かった。今日だけでなく、これから毎日、朝起きれば、さてこれからどうしよう、と考えて決めることができるのだ。それだけでも旅に出た甲斐があるように思えた。
深夜特急1 52ページ より引用
何かしらの予定に振り回されている人がほとんどだと思う。
仕事や家事、育児や雑務に時間を取られ、何かに縛られた日々を送っている。
一度、何もかも制約がない時間を過ごしてみたいと思う。
飽きそうな気もするけどね。
これが旅に出たい理由なのかもしれない
第三章 賽の踊り マカオ
第三章ではマカオでギャンブルをするエピソードが紹介されている。
個人的には一番面白くて好きなエピソードです。
ギャンブル未経験だった主人公は興味本位で見ていた中国版の丁半博打に参加し、熱中して大金を失いそうになる。
最後は負けのほとんどを取り返し、ギャンブルの天国と地獄を経験したことに満足してホテルへ帰るお話です。
熱くなって冷静さを失いディーラーの手の上で踊らされる場面、逆に冷静になってディーラーの癖に気付いて勝つ場面は読んでいて面白かった。
私自身、麻雀やポーカーは大学の頃に遊んでいたが、お金をかけてのギャンブル未経験だ。せいぜい夜ご飯代を賭けて勝負する程度でしかない。
私も一度はカジノに行ってポーカーで遊んでみたいなと思っている。
「ギャンブルはほどほどに」と頭ではわかっているが、実際にやってみて負けが多くなると冷静でいられないだろうなと思う。
その時になってみないとわからないけどね。
お金が絡むと人は冷静にいられないのだろう
【まとめ】「旅人のバイブル」という看板に偽りなし
今回は旅人のバイブル『深夜特急』の第一巻を読んだ感想をまとめました。
「旅人のバイブル」という看板に偽りなく、わくわくしながら読み進めていました。
私もこんな人生を送ってみたいと思いを馳せています。
旅の第一歩として2022年10月から半年間、フィリピンへ語学留学に行く予定です。
仕事を辞めて収入はなくなり、知らない土地で生活するのは不安でもあり、楽しみでもあります。
私も私なりの旅を楽しんで来ようと思います。
『深夜特急』について調べていると、YouTubeに『深夜特急』のドラマがアップロードされていました。
大沢たかおさんが主演で、エピソードは微妙に違っていましたが、異国の地を楽しんでいる雰囲気がとても好きです。
『深夜特急』に興味があるけど本を読むのが苦手な人にはもちろんオススメですが、すでに既読の方にもオススメです。
きっと見終わるころには旅に出たくなると思いますよ。
興味があれば読んでみてください。
最後まで読んでくれてありがとう
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深夜特急1